エブリイの乗り心地は悪い?高速道路の疲れやすさと横転の不安を検証
エブリイが気になっているけれど、「軽バンは乗り心地が悪い」「高速道路は疲れる」「背が高いから横転しそう」といった声を見て、買っていいのか迷っている人は多いと思います。仕事で毎日乗る人も、車中泊や趣味で遠くまで走りたい人も、気になるところは同じですよね。
先に答えを言うと、エブリイは荷物を積むことを前提に作られた背の高い軽バン。乗用車と同じ感覚で静かさや横風での安定を期待すると、差を感じやすい車です。ただ、その差がどこまで気になるかは、選ぶグレードやタイヤの状態、使い方でかなり変わります。
そこで、スズキの公式資料(主要諸元・安全装備)と国土交通省・気象庁の資料、オーナーの口コミを照らし合わせて整理しました。高速道路でのエンジン回転数は、公表されているギヤ比から計算しています。数値は2026年10月25日に確認した、2026年5月改良後の現行型(DA18V)のものです。

- エブリイの乗り心地が硬めと言われる理由と、荷物・座る席・年式による違い
- 100km/hでのエンジン回転数の計算と、NA・ターボ・ACC付きの選び方
- 横風の目安と、横転を防ぐ荷物の積み方・運転のポイント
- 購入前の試乗とタイヤで確かめたいこと、乗り換え前の準備
エブリイの乗り心地は悪い?乗用車と比べた差

乗り心地が「悪い」と言われるのは、エブリイがどんな使い方を前提に作られた車だからなのか。足回りの作りとオーナーの声から見ていきましょう。
結論:乗用車より硬めで、気になるかは使い方しだい

結論から言うと、エブリイの乗り心地は、乗用車と比べると硬めに感じやすいです。ただし、それを「悪い」と感じるかどうかは、乗る人数や積む荷物、走る道によってかなり変わってきます。
硬めに感じやすいのは、車の成り立ちを考えると自然なこと。エブリイは、2名乗車なら最大350kgの荷物を積める軽商用バン。タイヤも、小形トラック用のLT規格(145/80R12 80/78N LT)が指定されています。
足回りの形式は、前がマクファーソンストラット式、後ろがI.T.L.(アイソレーテッド・トレーリング・リンク)式で、どちらもコイルスプリング。前にはスタビライザーも付いています(2026年5月改良後の全グレード)。
実際に乗っている人の声も、「硬め」でおおむね一致していました。carview!に投稿された2024年式(改良前のDA17V・CVT車)のレビューから、乗り心地にふれた声を拾うとこんな感じです。
- JOINターボ(仕事用):荷物を考慮したつくりで、特にリアの足が硬い。乗り心地は5点満点の2点
- PAリミテッド4WD(仕事用):バンなので少し固め。乗り心地は2点
- JOINターボ4WD:乗り心地が悪いとよく言われるけれど、さほど気にならない(ただし、ショックは交換しようかと考えているとのこと)
同じ「硬め」でも、気になる人と気にならない人に分かれるわけですね。なお、2026年5月の改良は、スズキの発表を見るかぎりデザインやメーター、ナビ、安全装備が中心で、足回りを変えたという記載はありません。
エブリイの乗り心地のポイント
- 最大350kgを積む前提の軽商用バンで、乗用車より硬めに感じやすい
- 指定タイヤは小形トラック用のLT規格(12インチ)
- オーナーの評価は「硬め」が多い一方、「気にならない」という声もある
- 気になるかどうかは、乗る人数・荷物・走る道で変わる
荷物の量・座る席・年式で乗り味は変わる

エブリイの乗り心地は、同じ車でも条件しだいで印象が変わります。とくに差が出やすいのが、荷物の量と座る席。
先ほどのJOINターボのオーナーは、荷物がほとんどない状態で4人乗ると、後席の人はちょっとした段差でも跳ねてしまうと書いていました。荷物を積む前提の足回りなので、空荷に近いときほど硬さを感じやすいのかもしれません。
とはいえ、空荷と積載でどれだけ変わるかをメーカーが数字で示しているわけではないので、ここは目安として見てください。後ろの席に人を乗せることが多いなら、購入前に後席にも座ってみるのがおすすめ。運転席だけの試乗だと、後ろの揺れ方まではわかりにくいですからね。
荷物の偏りにも気をつけたいところです。タイヤ館(GP新潟横越)の店舗ブログでは、エブリイから外した純正のリアショックアブソーバーの伸び具合が左右で違っていて、荷物の偏りが原因かもしれないと書かれていました(2024年1月)。
一つの店の見立てではありますが、片側にばかり重い物を積む使い方は、足回りにも負担をかけそうです。
年式による違いもあります。2015年に登場したDA17Vは、時期によって5速AGS(オートギヤシフト)や4AT、5MTなどがあり、2024年2月の改良でCVTが加わりました。
2024年式PC(CVT)のオーナーは、「PAの5AGSの17V」から乗り換えて乗り心地はよくなったと評価していました(加速と燃費には不満も書いています)。
スズキもCVTについて、低速から中速では変速によるショックの少ないスムーズな加速ができると説明しています。中古で選ぶなら、年式と変速機で乗り味が変わる点は押さえておきたいですね。
エブリイワゴンとの乗り心地の差を諸元で比べる

「エブリイ 乗り心地」で調べると、エブリイワゴンの話がたくさん混ざって出てきます。エブリイワゴンは、エブリイと同じ日に一部仕様変更された軽乗用車で、商用のエブリイ(バン)とは別の車種。読んでいる口コミがどちらの話なのかは、確かめておいたほうがいいですね。
公表されている諸元で、2台を並べてみました。
| 項目 | エブリイ(バン) | エブリイワゴン |
|---|---|---|
| 区分 | 軽商用車 | 軽乗用車 |
| エンジン | NA 49PS/ターボ 64PS | 全車ターボ 64PS |
| 変速機 | 5MT/CVT | CVT |
| 足回り(前/後) | マクファーソンストラット式/I.T.L.式(コイルスプリング) | 同じ形式 |
| タイヤ | 145/80R12 80/78N LT | 165/60R14 |
| 全高 | 1,895mm | 1,815mm(標準ルーフ)/1,910mm(ハイルーフ) |
| 車両重量 | 870〜1,000kg | 980〜1,050kg |
| ACC(全車速追従機能付) | JOINターボのアップグレードパッケージ装着車とJリミテッド | 全車 |
出典:スズキ「エブリイ」主要諸元(2026年10月現在)、「エブリイワゴン」主要諸元(2026年5月現在)と2026年5月8日のニュースリリースをもとに作成。
こうして並べると、前後の足回りの形式は同じで、公表されている数字でいちばん目立つ違いはタイヤでした。バンは荷物向けのLT規格の12インチ、ワゴンは14インチの乗用車用。ただ、ばねやショックアブソーバーの設定は公表されていないので、「違いはタイヤだけ」とまでは言えません。
スズキの販売店(スズキアリーナ諏訪中央)のブログでも、ワゴンは「広さはそのままに、快適性や乗り心地を高めたモデル」と紹介されていました(2026年6月)。人を乗せて走る時間が長いならワゴン、荷物が中心ならバン、と考えて両方を試乗してみると、違いがつかみやすいかなと思います。
エブリイで高速道路は疲れる?NAとターボの差

高速道路での疲れやすさは、エンジンの回転数とパワー、それに横風で変わります。スズキが公表しているギヤ比から計算した数字も使って、一つずつ確かめていきましょう。
100km/hの回転数を5MT・CVT別に計算

高速道路で「うるさい」「疲れる」と言われる理由の一つが、エンジンの回転数。スズキの主要諸元に載っている変速比と最終減速比、タイヤサイズ(145/80R12)から、80km/hと100km/hで走るときの回転数を計算してみました。
| 仕様(2026年5月改良後) | 計算に使ったギヤ比 | 80km/h | 100km/h |
|---|---|---|---|
| 5MT・2WD(PA/JOIN) | 5速1.000×最終4.300 | 約3,400回転 | 約4,250回転 |
| 5MT・4WD(PA/JOIN) | 5速1.000×最終4.555 | 約3,600回転 | 約4,500回転 |
| CVT・NA(PA/PC/JOIN) | 最小0.826×最終4.777 | 約3,100回転 | 約3,900回転 |
| CVT・ターボ(JOINターボ) | 最小0.826×最終4.100 | 約2,700回転 | 約3,350回転 |
出典:スズキ「エブリイ 主要諸元」(2026年10月現在)の変速比・最終減速比とタイヤサイズをもとに当サイトで計算。
計算の前提は、タイヤの外径を約537mm(ブリヂストンが案内している「断面幅×偏平率×2+リム径」で計算)とし、CVTはいちばん高いギヤ比まで入った状態としたもの。実際は坂道や荷物、アクセルの踏み方で回転が上がることが多く、下限に近い目安と考えてください。
表を見ると、100km/hでは5MTの2WDが約4,250回転、ターボのCVTが約3,350回転と、900回転ほどの差がありました。スズキもCVTについて、高速域では回転数を抑えることで、車内で会話がしやすい静かさに貢献すると説明しています。
オーナーの声でも、2024年式PAリミテッド4WD(CVT)の人は「エンジンの回転数が上がらないので疲労感が軽減」、2024年式JOINターボの人は高速でも「許容範囲の静かさ」と書いていました。とはいえ、回転数は音の大きさそのものではなく、車内の騒音値はスズキも公表していません。
疲れにくさには、運転姿勢も関わってきます。運転席のシートスライドは230mmで、ハンドルの高さを変えられるチルトステアリングはJOINターボとJOINのCVT車に付いています。長距離が多いなら、試乗で座り心地とハンドルの位置も確かめておくと安心ですね。
NAで足りる?ターボとACC付きの選び方

エンジンの力の差は、カタログの数字にはっきり出ています。自然吸気(NA)は最高出力49PS・最大トルク60N・m(4,000回転)、ターボは64PS・95N・m(3,000回転)。ターボのほうが15PS、35N・m大きく、しかも低い回転で最大トルクが出ます。
この差は、荷物を積むほど効いてくるもの。車両重量と、2人乗って最大積載量まで積んだときの重さ(車両総重量)を、それぞれ最高出力で割って比べてみました。
| 仕様(2WD) | エンジン | 1PSあたりの重さ(空車→2名+350kg) | ACC | 価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| PA 5MT | NA 49PS | 17.8kg→27.1kg | なし | 1,343,100円 |
| JOIN CVT | NA 49PS | 19.0kg→28.4kg | なし | 1,654,400円 |
| JOINターボ | ターボ 64PS | 14.7kg→21.9kg | なし | 1,775,400円 |
| JOINターボ アップグレードパッケージ装着車 | ターボ 64PS | 14.8kg→22.0kg | あり | 1,890,900円 |
| Jリミテッド | ターボ 64PS | 14.8kg→22.0kg | あり | 1,978,900円 |
出典:スズキ「エブリイ」「エブリイ Jリミテッド」主要諸元(2026年10月現在)と価格・オンライン見積り(2026年10月25日確認)をもとに当サイトで計算。価格はメーカー希望小売価格(税込)で、ほかのオプション、保険料・税金(消費税を除く)・届出などの費用、リサイクル料金は含みません。
空車ならNAの2WDは1PSあたり17.8〜19.0kgですが、2人乗って350kgを積むと、NAは27〜28kg台、ターボは22kg前後。荷物を積んで合流や上り坂を走る場面ほど、ターボとの差が広がるわけです。
口コミでも、2024年式PC(NA・CVT)のオーナーは「パワーがない」と書き、乗り換える前の5AGSの車とくらべて加速が良くないとも評価していました。
JOINターボ4WDのオーナーは「ターボモデルは高速走行もこなす」としつつ、CVTのギヤ比はもう少しワイドにしてほしかったとも書いています。燃費の試験値(WLTC高速道路モード)は、NAのCVTが16.5km/L、ターボが15.5km/Lです。
2026年5月の改良では、運転支援として車線逸脱抑制機能とACC、前後のパーキングセンサーが新たに採用されました。いまは、車線をはみ出しそうなときにハンドル操作を助ける車線逸脱抑制機能と、車線逸脱警報、ふらつき警報が全グレードに標準です。
作動するのは約50km/h以上から(車線逸脱抑制は、周りに二輪車や歩行者を検知したときは約40km/h以上)。
一方、前の車についていく全車速追従機能付ACC(アダプティブクルーズコントロール)は、JOINターボのアップグレードパッケージ装着車(11万5,500円高)とJリミテッドだけです。JリミテッドはJOINターボのアップグレードパッケージ装着車をベースにした特別仕様車。
ACCには、カーブで速度を抑える機能や、追い越し車線への車線変更で加速を補助する機能も付いています。ただ、スズキは「ACCの制御には限界があります」と注意しているので、頼りきらずに使いたいところです。
JOINのCVTからJOINターボにすると2WD・4WDとも12万1,000円高、ACC付きにすると合わせて23万6,500円高。高速道路を月に何度も使う人や、荷物を積んで長い距離を走る人は、JOINターボのアップグレードパッケージ装着車かJリミテッドを基準に比べてみるのがいいかなと思います。
差額の用意に迷ったら、今乗っている車の買取査定額を先に調べておくと、どこまで予算を上げられるか決めやすくなります。
横風の強い日は吹き流しと風速を見て速度を落とす

エブリイは全幅1,475mmに対して全高が1,895mm。背が高いぶん横から風を受ける面が大きく、車両重量は870〜1,000kgと軽めです。
国土交通省が配送などの事業者向けに出している貨物軽自動車の指導マニュアルも、軽バンや軽トラのような貨物軽自動車は車体が軽く小さいため、「スピードや風、積載物の影響を受けやすい傾向にあります」と説明しています。
2024年式JOINターボのオーナーも、高速道路での直進安定性は「良いとは決して言えない」と書いていました。
どのくらいの風から注意すればいいかは、気象庁の「風の強さと吹き方」(PDF)が目安になります。走行中の車への影響は、こう書かれています。
- 平均風速10m/s以上15m/s未満:道路の吹流しの角度が水平になり、高速運転中では横風に流される感覚を受ける
- 15m/s以上20m/s未満:高速運転中では、横風に流される感覚が大きくなる
- 20m/s以上30m/s未満:通常の速度で運転するのが困難になる
高速道路の吹き流しが水平近くまでなびいていたら、平均で10m/s前後以上の風が吹いているサイン。気象庁によると、瞬間的な風は平均の1.5倍程度になることが多く、大気の状態が不安定なときは3倍以上になることもあるそうです。
そんな日は、速度を控えめにしてハンドルをしっかり握り、車間を広めに取るのが基本。荷物はなるべく低く積んで、強風の予報が出ているなら出発の時間をずらすのも手です。4WDや運転支援があっても風の力そのものは変わらないので、過信は禁物ですね。
エブリイは横転しやすい?背の高さと荷物の積み方

背の高い箱形の車に荷物を積んで、カーブや強風の中を走る。そんな場面を思い浮かべながら、横転の心配を整理していきます。
車種別の横転データはなく、軽バン全般に注意が要る

まず「エブリイは横転しやすいのか」については、エブリイの横転率をほかの車と比べた公的なデータは見当たりませんでした。なので、「エブリイだから横転しやすい」とも「しにくい」とも言い切れません。
ただ、国土交通省は軽バンや軽トラのような貨物軽自動車全般について、注意をうながしています。配送などの事業者向けに作られた国土交通省の貨物軽自動車向け指導マニュアル(PDF)には、次のような記述がありました。
- 車体が軽く不安定なため、横転が起きやすい
- 積載物の重心を意識的に低くしないと、車両が不安定になり、横転する確率が高くなる
傾いた場所に停めると倒れそうで怖い、という声も見かけますが、止まっている状態の傾きには国の基準があります。道路運送車両の保安基準の細目を定める告示(第8条)では、空車の状態で車を左右に35度(条件によっては30度)まで傾けても、転覆しないことが求められています。
35度は、坂道の勾配でいえば約70%にあたる急な角度。ただしこの基準は、荷物を積んでいない止まった状態で確かめるものです。走っているときの横転のしにくさや、荷物を高く積んだときの安定を示すものではありません。
横転が心配になるのは、スピードやカーブ、風、荷物の積み方が重なる走行中の場面。次の項目で、国土交通省のマニュアルが挙げているポイントを見ていきます。
横転を防ぐのは積み方と運転、ESPは補助

国土交通省のマニュアルは、荷物の偏りや荷崩れ、そして「急」のつく運転が、貨物軽自動車の走りにどんな危険を生むかを挙げています。エブリイに当てはめると、こんなところに気をつけたいですね。
偏った積み方・荷崩れ・急な運転で起きること
- 左右に偏った積み方:カーブや右左折、坂道で横転する危険がある
- 前に偏った積み方:下り坂や急ブレーキのときに、ブレーキの効きが落ちるおそれがある
- 後ろに偏った積み方:ハンドル操作が不安定になり、発進や上り坂で前が持ち上がるおそれがある
- 背が高く重心の高い荷物:急ブレーキや遠心力で荷物が倒れる(荷崩れする)おそれがある
- 荷物が偏ったまま急発進・急ブレーキ・急ハンドルをすると、横転などの危険が生じる
出典:国土交通省「貨物軽自動車運送事業者編」指導マニュアル(誌面35ページ・40ページ)をもとに作成
マニュアルには、荷物を降ろしたあとは「想像以上に車体が軽くなり不安定である一方で、気が緩みやすい」という注意もありました。配達を終えた帰り道の高速道路こそ、スピードの出しすぎに気をつけたいところです。
積める量にも上限があります。スズキが示している最大積載量は、2名乗車で350kg、4名乗車で250kg。JOINターボのアップグレードパッケージ装着車とJリミテッドの4WDは、4名乗車だと200kgまでです。
スズキは、走行中に荷物が動いて運転の支障にならないよう、しっかり固定するか収納するよう呼びかけています。重い物は床に近いところへ、左右に偏らないように置いて、ベルトやネットで留めておくと安心ですね。
ESP(車両走行安定補助システム)は、2026年5月改良後の全グレードに標準装備。ただ、スズキは「制御性能には限界があります」としていて、国土交通省のマニュアルも、車両安定性制御装置は「急ハンドル等の走行を可能にする装置ではない」ので過信しないよう書いています。
4WDについても、スズキはCVT車の「4WD AUTO」を雨で滑りやすいときなどに駆動力を制御するモードと説明していて、横転や横風に強くなるという説明はありません。
車高を上げるカスタムや、ルーフキャリアに重い荷物を載せる使い方は、重心を上げる方向に働きます。リフトアップやキャリアで気をつけたい点は、エブリイの車体構造と耐久性の記事でもまとめています。
購入前に試乗で確かめることと乗り換えの準備

数字や口コミで分かるのはここまで。最後は、実車で確かめたいことと、乗り換えを決める前にしておきたい準備をまとめます。
試乗ではタイヤの状態と空荷・積載の差を見る

乗り心地も高速道路での余裕も、最後は自分の使い方に近い条件で試してみるのがいちばん確実です。販売店で試乗するときは、次のポイントを意識してみてください。
試乗で確かめたいこと
- 継ぎ目や段差での突き上げ(運転席だけでなく後席にも座る)
- 空荷のときと、いつもの荷物に近い状態での違い(できるかどうか販売店に相談)
- 発進や合流での加速と、一定の速度で走るときの音(できればNAとターボを乗り比べる)
- シートとハンドルの位置が体に合うか(チルトステアリングはJOINターボ・JOINのCVT車)
- 中古車なら、車台番号で年式と装備(車線逸脱抑制やACCの有無)、リコールの対応状況
高速道路での確認は、販売店の許可と交通の状況が許す範囲で十分です。急ハンドルを切ったり、速度を出して試したりするのはやめておきましょう。
見落としがちなのが、タイヤの状態。エブリイの指定タイヤ「145/80R12 80/78N LT」のうち、「80」は荷重指数で1本あたり450kgまで支えられる目安、「N」は速度記号で140km/hまで対応していることを表しています(ブリヂストンの解説より)。
空気圧は、運転席側のドアまわりに貼られたラベルか取扱説明書で指定値を確かめて、月に1回は点検したいところ。空気圧が足りないとタイヤ本来の負荷能力を活かせない、とブリヂストンも説明しています。
乗り心地を良くしたくて、乗用車用のタイヤに替えようと考える人もいるかもしれません。ただ、荷重指数が足りないタイヤは車検に通らないうえ、損傷や事故につながるおそれもあります。
中古車なら溝やひび割れ、片減りの確認もふくめて、タイヤ専門店での点検と交換の相談をしておくと安心です。
中古のエブリイを選ぶときは、ショックアブソーバーのへたりにも目を向けたいところ。年式や走行距離が進んだ車は、試乗で揺れの収まり方を確かめて、気になるところは購入前に販売店へ点検を頼んでおくと安心ですね。
乗り換えるなら今の車の買取額を先に確かめる

グレードを決めるときに悩ましいのが、やっぱり予算。高速道路の多い使い方に合わせて、JOINのCVTからJOINターボのアップグレードパッケージ装着車に上げると、2WD・4WDとも23万6,500円高くなります。
今乗っている車を手放して乗り換えるなら、その車がいくらで売れるかで、使える予算はかなり変わります。新しいエブリイの見積もりを取る前に、今の愛車の買取査定額を確かめておくと、ターボやACCにどこまでお金をかけられるか判断しやすくなりますよ。
改良前のエブリイ(DA17V)に乗っていて、高速道路の疲れや乗り心地が合わないと感じている人も同じです。CVTやACCが付いた新しい仕様にするのか、エブリイワゴンにするのか、それとも別の車にするのか。今の車の価値を知っておくと、どの選び方でも比べやすくなります。
これから色を選ぶなら、手放すときのことも少し考えておきたいところです。2026年の全8色と中古車のデータは、エブリイの人気色とリセールの記事でまとめているので、あわせて参考にしてみてください。
エブリイの乗り心地と高速道路でよくある質問

Q1. エブリイの乗り心地を良くする方法はありますか?
A. まずは、タイヤの空気圧を運転席側のラベルや取扱説明書にある指定値に合わせることから。荷物はできるだけ低く、左右に偏らないように積んで固定しておくと、走りも不安定になりにくくなります。
それでも段差の突き上げが気になるなら、タイヤやショックアブソーバーの状態を専門店で点検してもらいましょう。乗用車用タイヤへの交換は、荷重指数が足りないと車検に通らないので、お店で確かめてから決めてください。
Q2. エブリイで高速道路の120km/h区間を走っても大丈夫ですか?
A. 法律の上では走れます。エブリイのような四輪の軽自動車は、道路交通法では普通自動車の区分に入り、高速道路の法定の最高速度は100km/h(道路交通法施行令第27条)。
そのうえで、新東名や東北道などの一部にある120km/hの区間は、警察庁の資料でも普通自動車の上限として示されています。標識でその速度が指定されていれば、エブリイも標識の速度までが上限です。
指定タイヤの速度記号Nは140km/hまで対応していますが、法律で走れる速度と、エブリイで楽に走れる速度は別もの。風の影響を受けやすい車なので、強風の日や荷物が多い日は左側の車線で流れに合わせ、控えめに走るのが安心です。
Q3. 4WDのほうが高速道路や横風で安定しますか?
A. スズキは、CVTの4WDにある「4WD AUTO」を、雨で滑りやすいときなど路面の状況に応じて駆動力を制御するモードと説明しています。横風や横転に強くなるという公式の説明はありません。
4WDは2WDより車両重量が40〜50kg重く、5MTのWLTC高速道路モード燃費は2WDの17.5km/Lに対して17.1km/L。雪道や雨の多い地域なら4WDは心強いですが、横風への備えは速度と荷物の積み方が基本です。
Q4. 中古のエブリイにも、同じ運転支援は付いていますか?
A. 車線逸脱抑制機能とACC(全車速追従機能付)は、2026年5月の改良で採用されたものです。それより前のDA17Vは年式やグレードで装備が違うので、同じとは考えないほうがいいですね。
中古で選ぶときは、車検証の型式と車台番号を販売店に伝えて、付いている装備を確かめてください。国土交通省の「自動車不具合情報ホットライン」では、型式からリコールの届出も調べられます。
エブリイの乗り心地と高速・横転の不安まとめ

エブリイは、最大350kgの荷物を積む前提で作られた背の高い軽バン。乗用車と同じ感覚で静かさや乗り心地、横風での安定を期待すると、差を感じやすい車です。
- 乗り心地は乗用車より硬め。空荷で後席に人を乗せると跳ねやすいという声もある
- 100km/hの回転数(計算)は、5MTの2WDで約4,250回転、ターボのCVTで約3,350回転
- 荷物を積むほどNAとターボの差は広がる。ACCはJOINターボのアップグレードパッケージ装着車とJリミテッドだけ
- エブリイだけの横転データはないが、国は貨物軽自動車の重心・偏り・急な操作に注意を呼びかけている
- ESPや4WDは補助。風の強い日は速度を落とし、荷物は低く均等に積んで固定する
高速道路をよく使うなら、ターボと運転支援、それにタイヤの状態まで含めて、実車で確かめてから決めるのがおすすめです。乗り換えを考えているなら、今の車の査定額を先に知っておくと、グレード選びの予算も立てやすくなりますよ。
