エブリイのタイヤサイズは?14インチの車検と6J・ハブ径・トルク
エブリイのタイヤを替えるとき、まず迷うのが「純正のサイズは何か」と「14インチにしても大丈夫か」ではないでしょうか。スタッドレスを買う前や、見た目を変えたくなったときに調べる人が多いところです。
先に答えを言うと、2026年5月仕様のエブリイ(バン)の純正は145/80R12 80/78N LT。2015年発売のDA17Vから、ホイールのサイズも締付トルクも変わっていません。ただ、インチアップは「何インチなら車検OK」と数字だけで決まる話ではないのが、ややこしいところなんです。
この記事では、スズキの取扱説明書(2015〜2026年の各版)と主要諸元表、自動車技術総合機構の審査事務規程を照らし合わせて、純正サイズと13〜16インチ・155/65R14・6J/6.5J・ハブ径・締付トルクの考え方を整理しました。
数値は2026年10月31日に確認した公式資料にもとづいています。タイヤとホイールは安全に直結する部品なので、最後は取扱説明書と専門店で確かめる前提で読んでみてください。

- エブリイ(バン・ワゴン・旧型)の純正タイヤサイズと空気圧
- 13〜16インチにしたときの外径の差と、確かめたい5つの項目
- 155/65R14や14インチで車検が問題になる理由(荷重とはみ出し)
- 6J・6.5Jの幅、PCD・ハブ径・ナットと締付トルク85N・mの確かめ方
エブリイのタイヤサイズは?バン・ワゴンの純正と空気圧

タイヤ交換やスタッドレス選びの前に、まずは自分のエブリイの純正サイズを確かめておきましょう。バンとワゴンで答えが変わります。
結論:エブリイバンは145/80R12 80/78N LT

結論から言うと、2026年5月8日の一部仕様変更後のエブリイ(商用バン)の純正タイヤは145/80R12 80/78N LT。PA・PC・JOIN・JOINターボのどのグレードも、2WD・4WDとも同じ12インチです。
スズキの取扱説明書(2026年5月版)の「サービスデータ」には、タイヤに合わせるホイールのサイズと空気圧まで載っていました。ワゴンと並べるとこうなります。
| 車種(型式) | 純正タイヤ | ホイール(リム幅・インセット) | PCD | 空気圧(前輪/後輪) |
|---|---|---|---|---|
| エブリイ(DA18V) | 145/80R12 80/78N LT | 12×4.00B・45mm | 100mm | 軽積載 240/260kPa、定積載 280/350kPa |
| エブリイワゴン(DA18W) | 165/60R14 75H | 14×4 1/2J・50mm | 100mm | 200/240kPa |
出典:スズキ「エブリイ 主要装備・主要諸元」、エブリイ/エブリイワゴン 取扱説明書(2026年5月版)8-6「タイヤ/ホイール」をもとに作成(確認日:2026年10月31日)。
軽積載は、2人以下の乗車なら荷物150kg以下、3人以上なら50kg以下のとき。荷物をたくさん積むなら、後輪350kPaの定積載の値になります。
ただ、取扱説明書には「お車のタイプにより異なります」とあって、運転席ドアの開口部に貼られた空気圧ラベルで確かめるよう書かれています。実際に入れるときは、ラベルの値を優先してください。
エブリイ(バン)の純正タイヤの要点
- サイズは145/80R12 80/78N LT(12インチ・貨物用のLT規格)
- ホイールは12×4.00B・インセット45mm・PCD100mm
- 2015年1月版〜2026年5月版の取扱説明書で、サイズ・ホイール・締付トルクは同じ
- スズキ純正のタイヤチェーンも145/80R12用
特別仕様車のJリミテッドも、専用の主要諸元表では145/80R12 80/78N LTでした。スズキの純正アクセサリーのタイヤチェーンは145/80R12用で、「適応サイズは、新車時のホイール・タイヤを基準にしています」との注記つき。サイズを変えると、チェーンも選び直しになります。
エブリイワゴンは14インチ|13インチだった年式も

乗用のエブリイワゴンは、2026年5月仕様のPZターボ・PZターボスペシャルとも165/60R14 75Hで、14インチのアルミホイール。バンの12インチとは、タイヤの種類から違います。
「75H」は、乗用車用タイヤのロードインデックス(1本で支えられる重さの指数)と速度記号。バンのLTは荷物を積む前提の貨物用です。ワゴンの純正が14インチだからといって、バンにも同じ14インチがそのまま合うとは言えません。理由は後の章で説明しますね。
「エブリイ 13インチ」で調べると出てくるのが、ワゴンの13インチ。スズキの取扱説明書を版ごとに見比べると、こうなっていました。
- 2015年1月版〜2022年4月版(DA17V・DA17W共通):ワゴン用に155/70R13 75S(13×4.50B・インセット50mm)が載っている
- 2024年2月版(DA17V・DA17W共通)と2026年5月版(DA18V・DA18W共通):13インチの記載はない
- どの版も、バンの145/80R12 80/78N LTと締付トルク85N・mは同じ
中古車情報サイトのカタログでは、DA17WのJPターボ(2021年9月〜2022年4月)がこの155/70R13 75S。中古のワゴンで13インチが付いていても、それが純正だった年式もある、ということですね。
ただ、155/70R13 75Sも乗用車用のタイヤ。ワゴンの13インチを、そのままバンに付けるサイズとして見るのは避けたほうがよさそうです。
6PRと80/78Nの違い|旧型DA64Vの確かめ方

旧型のエブリイや古いタイヤの在庫で見かけるのが、「145R12 6PR LT」という書き方。2005年8月発売のDA64Vは、スズキの当時の主要諸元表で145R12-6PR LTでした。
ブリヂストンのカタログによると、タイヤの表示を国際標準(ISO)にそろえるため、小型トラック用の82シリーズを80シリーズに変更したとのこと。145R12 6PR LTと145/80R12 80/78N LTは、互換のあるサイズとして並んでいます。
同じ車軸の中で新旧を混ぜないこと、という注意も添えられていました。
今の表記「145/80R12 80/78N LT」は、こう読みます。
- 145:タイヤの幅(mm)
- 80:偏平率(%)。タイヤの高さが幅の80%
- R12:ラジアル構造で、12インチのホイール用
- 80/78:ロードインデックス。1本ずつ付けるときは80(450kg)、2本並べる複輪なら78(425kg)。エブリイは単輪なので80
- N:速度記号(140km/h)
- LT:小型トラック用(ライトトラック)
6PRのような旧表記にはロードインデックスが書かれていません。検査の規程では、その場合は当分の間、JATMA(日本自動車タイヤ協会)の規格表などにあるメーカー指定の最大負荷能力を使う、とされています。
DA64Vは2005年から2015年まで続いたモデルなので、途中の年式や特別仕様車まで同じとは言い切れません。DA64Vの取扱説明書はスズキのサイトに見当たらなかったので、今付いているタイヤの側面、ドアまわりの空気圧ラベル、車検証の型式で確かめてください。
エブリイを13〜16インチにインチアップできる?

14インチや15インチにすると、見た目はぐっと変わります。では、エブリイは何インチまでなら大丈夫なのか。メーカーの考え方から見ていきましょう。
スズキは指定外サイズを評価していない|確かめる5項目

スズキは「よくあるご質問」で、指定外のタイヤ・ホイールのサイズは取り付けの検討・評価を行っていないとして、PCDやインセットを含めて指定サイズを使うよう案内しています。法令に違反する場合がある、という注意つき。
つまり「何インチなら付く」というメーカーの答えはありません。インチアップするなら、次の5つを自分とお店で一つずつ確かめていくことになります。
インチアップで確かめる5項目
- 外径:純正(約537mm)との差。メーターの表示や車体とのすき間が変わる
- 荷重指数(LI):1本で支えられる重さ。荷物を積んだときの後輪の重さに足りるか
- はみ出し:タイヤ・ホイールがフェンダーより外に出ないか
- 車体干渉:ハンドルを切ったときや、荷物で沈んだときに当たらないか
- 車検適合:上の4つに、ホイールの状態や強度の表示も含めて基準に合うか
出典:スズキ「四輪車について よくあるご質問」(タイヤ、ホイールのサイズを変更したい)をもとに作成(確認日:2026年10月25日)。
見た目を変えるカスタムでは、ホイールもいっしょに替えることが多いもの。ただ、12インチのまま白いライン入りのホイールカバーで雰囲気を変える方法もあって、エブリイをワーゲンバス風にするキット代と車検の注意点でも紹介しています。
純正以外のサイズに替えた部分で不具合が出たときの扱いも、購入した販売店に先に聞いておくと安心かも。外径は計算で目安が出せるので、次でインチごとに並べてみますね。
13〜16インチの外径を計算|純正との差とメーター

タイヤの外径は「ホイールの径+タイヤの高さ×2」で計算できます。高さは幅×偏平率。純正の145/80R12なら、12×25.4+145×0.80×2で536.8mmです。
13〜16インチで、エブリイの話題によく出るサイズを同じ式で計算してみました。
| サイズ | 公称外径 | 純正との差 | メーター40km/hのときの速さ(目安) | メモ |
|---|---|---|---|---|
| 145/80R12(純正) | 536.8mm | — | 40.0km/h | バンの純正LT |
| 145/80R13 | 562.2mm | +25.4mm(+4.7%) | 41.9km/h | 13インチのLT(旧表記145R13 6PR) |
| 155/70R13 | 547.2mm | +10.4mm(+1.9%) | 40.8km/h | DA17Wの一部の純正 |
| 165/65R13 | 544.7mm | +7.9mm(+1.5%) | 40.6km/h | |
| 155/65R14 | 557.1mm | +20.3mm(+3.8%) | 41.5km/h | 軽乗用車でよく見るサイズ |
| 165/55R14 | 537.1mm | +0.3mm(+0.1%) | 40.0km/h | |
| 165/60R14 | 553.6mm | +16.8mm(+3.1%) | 41.3km/h | ワゴンの純正 |
| 165/50R15 | 546.0mm | +9.2mm(+1.7%) | 40.7km/h | |
| 165/45R16 | 554.9mm | +18.1mm(+3.4%) | 41.3km/h | |
| 165/40R16 | 538.4mm | +1.6mm(+0.3%) | 40.1km/h |
出典:タイヤサイズの数字から計算(公称値・独自計算)。速度計の基準は国土交通省「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示」第226条(確認日:2026年10月31日)。実際の外径は銘柄で数mm変わります。
速度計の検査にも決まりがあって、2007年1月以降に作られた車は、メーターが40km/hを指しているとき、実際の速さが約30.9〜42.55km/hに入っている必要があります(告示の式から計算した値)。外径が大きくなるほど、実際の速さはメーターより速くなる方向です。
表の「40km/hのときの速さ」は、純正タイヤでメーターの誤差がゼロだと仮定した目安。実際のメーターの誤差は車ごとに違うので、「何%までなら通る」とは言えません。外径はなるべく純正に近いサイズを選ぶのが基本ですね。
13インチには、LT規格の145/80R13 82/80N(旧表記145R13 6PR)もあります。荷重はLI82で1本475kgと純正より大きい一方、外径は約25mm大きくなるので、すき間とメーターの確認は欠かせません。
15・16インチは、外径を合わせようとするとタイヤが薄く(偏平率40〜50%)なります。段差の衝撃が伝わりやすくなる方向なので、エブリイの乗り心地と高速道路の疲れやすさが気になる人は、ここも差し引いて考えたいところ。乗用車用のサイズが中心になるので、次の章の荷重がいちばんの壁になります。
155/65R14は車検対応?エブリイバンの14インチ

純正タイヤ1本が支えられる重さは450kg。この数字を基準に、検索で特に多い155/65R14を検査の目で見ていきます。
155/65R14 75は1本387kg|純正は450kg

検査で見られるのは、インチの数字ではありません。自動車技術総合機構の審査事務規程では、タイヤにかかる荷重がタイヤの負荷能力以下であることを求めています。
確かめ方は2つ。荷物を最大まで積んだ状態(積車状態)の軸重と、空車に乗車定員分の人が乗った状態の軸重を、それぞれタイヤの本数で割った値が、どちらも負荷能力以下であること。
負荷能力は、ロードインデックス(LI)ごとに決まっています。エブリイで話題になるLIを並べるとこうです。
| LI | 1本の負荷能力 | 後輪2本の合計 | 当てはまるタイヤの例 |
|---|---|---|---|
| 75 | 387kg | 774kg | LIが75の155/65R14、155/70R13 75S、165/60R14 75H |
| 76 | 400kg | 800kg | |
| 77 | 412kg | 824kg | |
| 80 | 450kg | 900kg | 145/80R12 80/78N LT(純正・単輪) |
| 82 | 475kg | 950kg | 145/80R13 82/80N LT |
出典:自動車技術総合機構「審査事務規程」7-11(走行装置)・別表4(ロードインデックスに対応する負荷能力)をもとに作成(確認日:2026年10月31日)。
155/65R14でLIが75のタイヤなら、1本で支えられるのは387kg。純正のLT(450kg)より1本あたり63kg、後輪2本で126kg少なくなる計算です。LIは銘柄で違うことがあるので、タイヤの側面の表示で確かめてください。
エブリイの最大積載量は350kg(4名乗車時は250kg、一部の仕様は200kg)。荷物は主に後ろに載るので、厳しくなるのは後輪の側です。
ユーザーの声では、DA17V(JOINターボ・2WD・5MT)の持ち主が、積車状態の後軸重を775kgと計算して、軽自動車検査協会の事務所に確かめた例が価格.comの掲示板にありました(2021年)。
その投稿によると、155/70R13 75S(387kg×2=774kg)は1kg足りずに不可。165/65R13 77S(412kg×2=824kg)は、はみ出しや干渉がなければ可と言われたそうです。あくまで1台の例なので、後軸重は年式やグレード、装備によって変わる点に注意してください。
なお、乗用車用タイヤを貨物車に付けたときも、同じ方法で負荷能力を計算すると規程に書かれています。「LT以外は一律に不可」ではないものの、LIが足りなければ通りません。
自分の車の計算は、車検証の前軸重・後軸重が出発点。人と荷物の重さがどの車軸にどれだけかかるかは車の形で決まるので、タイヤ店や整備工場に計算してもらうのが確実です。LTタイヤの高い空気圧(定積載の後輪350kPa)を、乗用車用タイヤにそのまま入れればいい、という話でもありません。
はみ出し10mmの特例はバンに使えない|ワゴンは別

2017年の基準の見直しで、タイヤが10mm未満はみ出していても「はみ出していない」とみなす扱いができました。これを聞いて「10mmまでなら大丈夫」と思いがちですが、エブリイバンには当てはまりません。
審査事務規程(7-28 車枠及び車体)では、この扱いは「専ら乗用の用に供する自動車(乗車定員10人以上の自動車などを除く)」の、いちばん外側がタイヤになる部分に限られています。
軽貨物のエブリイバンは乗用車ではないので、タイヤもホイールも、フェンダーより外に出ていると基準に合いません。見られる範囲は、車軸の中心から前方30°・後方50°の間です。
乗用のエブリイワゴンなら10mm未満の扱いの対象になりますが、それもタイヤだけ。ホイールのリムやナット、センターキャップが出ていれば、ワゴンでも基準に合いません。
155/65R14は、純正の145/80R12より幅が10mm広いタイヤ。同じ位置に付けても、片側で約5mmずつフェンダー側にも内側にも近づく計算です。14インチのホイールは幅も広くなりがちなので、はみ出しの余裕はさらに小さくなります。
先ほどの掲示板でも、14インチ・5Jのホイールに155/65R14を付けたら前輪がフェンダーからはみ出していた、という声がありました。荷物を積んで沈んだときやハンドルを切ったときに内側が当たらないかも、あわせて確かめたいところです。
6J・6.5Jは入る?ホイールのハブ径とトルク

タイヤの荷重とはみ出しの考え方が分かったら、次はホイールの側。幅、取り付けの寸法、締め付けの3つを順に見ます。
6J・6.5Jは幅の数字|純正より片側25〜32mm広い

6Jや6.5Jの数字は、ホイールの幅(リム幅)をインチで表したもの。径ではありません。「14×6J」なら14インチで幅6インチ、という意味で、Jは縁(フランジ)の形を表す記号です。
純正の12×4.00Bは、幅4インチ(約101.6mm)。同じインセットのまま幅を広げると、広がった分の半分ずつが外側と内側に出ます。1インチ=25.4mmで計算すると、こうなりました。
- 4.5J(ワゴンの純正):幅114.3mm。片側に約6mm広がる
- 5J:幅127.0mm。片側に約13mm
- 5.5J:幅139.7mm。片側に約19mm
- 6J:幅152.4mm。片側に約25mm
- 6.5J:幅165.1mm。片側に約32mm
もう一つ大事なのが、インセット(ホイールの中心線から取り付け面までの距離)。純正はバンが45mm、ワゴンが50mm。インセットが小さいホイールほど、全体が外側へ出ます。
バンは10mmの扱いも使えないので、6J・6.5Jは「入るか」より「フェンダーの内側に収まるか」「内側の足回りや車体に当たらないか」を現車で確かめる話になります。リム幅ごとに組めるタイヤの幅も決まっているので、タイヤとの組み合わせもお店で見てもらいましょう。
PCDは100mm|ハブ径とナットの確かめ方

取扱説明書(2026年5月版)に載っているPCD(ボルト穴の中心を結ぶ円の直径)は、バン・ワゴンとも100mm。締め付けの図では、ナットは4つでした。
一方で、ハブ径(ホイールの真ん中の穴の大きさ)は、取扱説明書にもスズキの主要諸元表にも載っていません。ネットでは54mmや60mmといった数字が見つかりますが、ホイール側の穴の話なのか、車体側のハブの話なのかが混ざっていて、出どころもはっきりしませんでした。
社外ホイールを選ぶときは、ホイールメーカーの車種別の適合表で「エブリイ」と自分の型式が対象になっているかを見るのが出発点。ハブ径の合わせ方も含めて、お店で現車に当ててもらうのが確実です。
ナットは、取扱説明書の図でスチール・アルミともテーパー面で当たる形(テーパー座)でした。
用品メーカーの協永産業(KYO-EI)の表では、DA17系のエブリイを元にしたOEM車(三菱ミニキャブバンDS17V・日産NV100クリッパーDR17V)が、M12×P1.25・二面幅19mm・60°テーパー座となっています。
これは現行DA18Vの資料ではないので、ナットを買う前に型式で確かめてください。社外ホイールは、ナットの座面の形が純正と違うこともあります。
アルミホイールには強度の表示(JWL・JWL-T)もあります。審査事務規程では、最大積載量500kg以下の軽貨物車はJWL表示も対象に入っていて、「軽貨物は必ずJWL-T」ではありません。ただ、荷物を積むバンに使えるかは、ホイールメーカーが示す耐荷重と適合で決まります。
迷ったら、型式を伝えて専門店に見てもらうのが近道。たとえばタイヤ館での適合確認と取り付けなら、ナットの形やハブ径の違いも現車に合わせて確かめてもらいやすくなります。
締付トルクは85N・m|トルクレンチと店での点検

エブリイのホイールナットの締付トルクは、取扱説明書(2026年5月版)で85N・m(870kgf・cm)。2015年1月版から2024年2月版のDA17V向けでも、同じ数字でした。
取扱説明書では、ナットを手で軽く締めたあと、図の順序(対角)で2〜3回に分けて締める流れ。既定のトルクで締めるならトルクレンチ(市販品)がすすめられていて、使わずに交換したときは、できるだけ早く販売店で締め付けトルクの点検を受けるよう書かれています。
ホイールナットで守りたいこと
- ナットやボルトにオイル・グリスを付けない(締めすぎてボルトが折れるおそれ)
- レンチを足で踏んだり、パイプでのばしたりしない
- 交換してしばらく走ったら、ナットのゆるみを確認する(アルミホイールは1,000km程度で点検)
- 振動などの異常を感じたら、ただちに安全な場所に止めて販売店に連絡する
出典:スズキ「エブリイ/エブリイワゴン 取扱説明書」(2026年5月版)7-22〜7-24をもとに作成(確認日:2026年10月31日)。
85N・mは、エブリイの取扱説明書にある値です。ほかのスズキ車の数字を流用せず、社外ホイールに替えたときはホイールメーカーの指定も確かめてください。
パンク修理キットを積んだ車には、ジャッキやホイールレンチが積まれていない、とも書かれていました。トルクレンチを持っていないなら、交換も増し締めもお店に任せるのが安心。タイヤ館での交換と増し締めのように、作業と点検をまとめて相談できるところを選ぶと手間が省けます。
車検や売却の前に純正タイヤへ戻すべき?

インチアップしたまま乗り続けるか、車検や手放すタイミングで純正に戻すか。最後に、その分かれ目を整理します。
インチアップしたエブリイを売るなら純正も残す

インチアップした車で困りやすいのが、車検と売るとき。外した純正のタイヤとホイールを処分してしまうと、車検で指摘されたときに、すぐ純正へ戻せなくなります。
純正の145/80R12 80/78N LTとホイール(12×4.00B)は、できれば保管しておくのがおすすめ。車検の前に付け替えられますし、次の持ち主もサイズで迷わずに済みますね。
社外ホイールのまま売るか、純正に戻して売るかは、査定のときに両方の状態を伝えて見積もりを比べると決めやすいです。社外品と純正品の有無を伝えたうえで、先にエブリイの買取査定額を知っておくと、戻す手間をかけるかどうかも判断できます。
古いエブリイで、タイヤ4本とホイールを新しくするか迷っているなら、その出費と今の査定額を並べてから決めるのも一つの手。走行距離が多い車の売り時は、エブリイの寿命と走行距離が多い車の売り時の記事でもまとめています。
査定額は年式や走行距離、車の状態、買取店によって変わります。金額だけでなく、引き渡しや入金の条件も比べてみてくださいね。
エブリイのタイヤサイズでよくある質問

Q1. エブリイのスタッドレスタイヤは何インチを買えばいいですか?
A. バンなら、純正と同じ145/80R12 80/78N LT(12インチ)が基本です。スズキ純正のタイヤチェーンも145/80R12用で、新車時のホイール・タイヤを基準にしています。
インチアップしたホイールに冬用タイヤを付ける場合も、荷重(LI)やはみ出しの考え方は夏用と同じ。サイズを変えるとチェーンも合わなくなることがあります。
Q2. エブリイのタイヤの空気圧はいくつですか?
A. 2026年5月版の取扱説明書では、145/80R12 80/78N LTが軽積載で前輪240kPa・後輪260kPa、定積載で前輪280kPa・後輪350kPaです。ワゴンの165/60R14 75Hは前輪200kPa・後輪240kPa。
実際に入れるときは、運転席ドアの開口部に貼られた空気圧ラベルの値を優先してください。
Q3. エブリイワゴンの純正ホイールをエブリイバンに付けられますか?
A. PCDは同じ100mmでも、そのまま流用するのはおすすめできません。ワゴンの純正は14×4 1/2J・インセット50mmで、タイヤは乗用車用の165/60R14 75H(LI75=1本387kg)です。
バンに付けると荷重の余裕が純正LT(450kg)より小さくなり、荷物を積んだときの後輪の重さによっては基準に合いません。ホイールが貨物の荷重に耐えるかも、別に確かめる必要があります。
Q4. 145R12 6PRと145/80R12 80/78Nは同じタイヤですか?
A. 表示の決まりが変わる前と後のサイズで、ブリヂストンのカタログでは互換のあるサイズとして並んでいます。国際標準(ISO)にそろえるため、82シリーズを80シリーズに変更したという説明です。
ただし、同じ車軸の中で新旧を混ぜて付けないように、と注意書きがあります。替えるときは左右(できれば4本)をそろえてください。
エブリイのタイヤサイズとインチアップのまとめ

エブリイ(バン)の純正タイヤは145/80R12 80/78N LTで、ホイールは12×4.00B・インセット45mm・PCD100mm。2015年のDA17Vから2026年のDA18Vまで、取扱説明書の値は変わっていません。
- エブリイワゴンは165/60R14 75H(14×4 1/2J・インセット50mm)。乗用車用なのでバンとは別物
- インチアップは、外径・荷重指数・はみ出し・車体干渉・車検適合の5つを確かめる
- 155/65R14でLI75なら1本387kg。純正LT(450kg)より63kg少なく、積車時の後輪の重さで判断
- バンはタイヤのはみ出し10mm未満の扱いの対象外。6J・6.5Jは片側25〜32mm広がる
- ハブ径は公式資料に記載なし。締付トルクは85N・mで、トルクレンチを使う
インチアップは見た目だけで選ぶと、車検や安全の面で困ることがあります。サイズを決める前に取扱説明書で純正の値を確かめ、取り付けと締め付けは専門店にも見てもらうのが安心です。
